物事を体系的・論理的に整理し、筋道を立てて考える思考方法
ロジカルシンキング(Logical Thinking:論理的思考)とは、物事を体系的・論理的に整理し、筋道を立てて考える思考方法です。複雑な問題を整理し、明確かつ適切な結論を導き出すために広く用いられます。
ロジカルシンキングの本質:「整理された論理展開により、説得力のある妥当な結論を導き出すスキル」
複雑な情報を構造化し、論理的に分類・整理する
課題の本質を見極め、最適な解決策を導き出す
客観的な事実と論理に基づいて合理的な判断を行う
考えを筋道立てて、相手に明確に伝える
ロジカルシンキングには、主に以下の4つの要素があります。
漏れなく(Mutually Exclusive)、ダブりなく(Collectively Exhaustive)考えること。
論理的に網羅性を担保するための基本原則です。
例:商品を「価格帯別」に分類する場合
議論の途中で矛盾や飛躍がないこと。
前提と結論が整合していることを常に意識します。
「論理の一貫性」とは、ある主張をする際に、その主張を支える根拠や前提条件が矛盾なく繋がっていることです。
例:以下のような論理展開は一貫性がありません
この例では、「価格が高い製品は売れない」という前提が抜けており、論理の飛躍があります。
「だから何?」「なぜそう言える?」を繰り返し、自分の主張を深掘りします。
事実:今年の商品Aの売上は前年比20%減少した
意味:この傾向が続くと収益計画を達成できない
意味:今すぐ対策を講じる必要がある
根拠:対策なしでは今後も売上減少が続くと予測されるから
意見や主張は根拠となるデータや事実に基づいて行うこと。
主観的な意見や感覚ではなく、客観的な事実やデータに基づいて考えることが重要です。
「この商品は人気があるように感じる」
「おそらく市場は成長しているだろう」
「この商品の売上は前年比150%増加している」
「市場調査によると、この分野は年率8%で成長している」
代表的なフレームワークとして、以下のようなものがあります。
結論を最初に示し、その根拠を階層構造で明確に示します。結論 → 根拠 → 具体例の順に考えを整理します。
問題を樹形図のように細分化して考えます。原因究明、課題特定、戦略策定など、問題解決に広く使われます。
ロジカルシンキングは後天的に習得可能です。以下のようなトレーニングが効果的です。
問題の根本原因を見つける方法。
問題:「商品の不良品率が高い」
根本原因:営業と生産の連携不足
結論と根拠を整理しながら文章を書く練習。
テーマ:「リモートワークを導入すべき理由」
1. まず結論を書く:
「当社はリモートワークを全社的に導入すべきである」
2. 主な理由を3つ挙げる:
①生産性向上 ②優秀な人材確保
③コスト削減
3. 各理由に具体例や数値を加える
他人と議論することで自分の思考を整理し、論理的な伝達力を鍛える。
テーマ例:「AIは人間の仕事を奪うか?」
賛成側と反対側に分かれて、それぞれの立場から論理的に主張し、議論する。
ロジカルシンキングは以下のようなシーンで活用されます。
ビジネスや研究で課題を明確化し、解決策を立案する際に役立ちます。
客観的・論理的に判断し、合理的な選択を行います。
相手にわかりやすく情報や考えを伝達するために不可欠です。
「論理的」であることと「正しい」ことは異なります。論理的に考えることで妥当な結論は出せますが、事実や前提条件が誤っていると結論も誤ります。
常に前提の妥当性、ファクトの正確性を確認する姿勢が重要です。
ロジカルシンキングとは、「整理された論理展開により、説得力のある妥当な結論を導き出すスキル」です。日常的なトレーニングを通して身につけることで、仕事や学習の効率・質を飛躍的に向上させることができます。
ロジカルシンキングを実際に使ってみましょう。
あなたは新規事業の企画を任されました。ロジカルシンキングを使って検討しましょう。
新規事業の市場区分を考えてみましょう。
内部環境と外部環境を整理するフレームワーク
問題や状況を多角的に捉えるフレームワーク
問題の原因を体系的に整理するツール
ロジカルシンキングは様々な思考法と組み合わせることで、より効果的になります。
情報や主張を批判的に検証する思考法
既存の枠組みにとらわれず、新しい視点で考える思考法
要素間の関係性や全体像を把握する思考法